常温で飼育できるのに温室で育ててませんか? 標高の高い地域で採れる種を除き、国産の昆虫は、常温飼育が可能です。
 常温飼育(繁殖)の可能なクワガタ → ヒラタクワガタ  コクワガタ  オオクワガタ  ノコギリクワガタ
 常温飼育の長所と短所
 ○ 長所 : 電気代が一切かかりません。 おまけにエアコンの電源の入れ忘れによる死亡等の心配も一切無しです。
         温度を上げて無理矢理成虫にさせるよりは、より自然な飼育法ではないかと思います。
       × 短所 : 1. 最大の短所は、羽化に時間がかかることです。 早いサイクルで羽化させたい人には耐えられないでしょう。
          2. 常温飼育の難しいクワガタはもちろん飼育できません。 とりあえずは夏場に最高気温が32℃以上になる場合は
          お勧めしません。
         3. 寒さに弱い虫も飼育を避けた方が良いでしょう。 特に東南アジアのコガネムシ科の昆虫の常温飼育は危険です。
   常温飼育に適した場所
   常温飼育に限ったことではありませんが、日陰の涼しい所が一番です。 家の中で一番風通りの良い所や風の通りが良くなる
       ような工夫が必要です。
   短所を克服するために
   1.冬場は、ダンボールで飼育。 ダンボールの内側に電気カーペット用の保温シート等を張って外気の温度変化を和らげる。
    玄関等出入り口に置いてある場合、玄関の開閉等で温度変化生じます。 これを若干ながら防げます。
 2.夏場は、玄関をドアストッパー等で固定して、風が屋内に入りやすくしたりしてます。 これだけで2〜3℃は違ってくること
          があります。 ただし、寝る前の戸締りは忘れずに。
 3.産卵を早めに行なわせる。 6月位までに産卵させておけば秋までには結構な大きさの幼虫になっています。 夏の暖かい
          時期に幼虫でいることが重要です。 そのままで冬を越させれば羽化までの時間はそれほどかからないはずです。
          ただし、飼育環境によっては蛹化してしまうこともあります。
   常温飼育の鍵
   それは、越冬固体です。 越冬個体がいれば、5〜6月からのペアリングが可能になります。
 越冬について・・・
    数年生きる種類の場合は、越冬は簡単です。
    越冬で一番重要なのは水分です。 あとは極端に寒くならない所に置いておけば大丈夫です。
    ケースと蓋の間にビニール等を挟んで乾燥しにくい状態でしておくと良いです。
    ただし、越冬中に寿命で死んでしまう場合もあります。
    一夏で死んでしまうクワガタについても心配は不要です。 そういうクワガタは、羽化した年は活動せず蛹室で越冬し、
    翌年の初夏から活動を開始する習性を持っています。
   常温飼育に耐えうるクワガタ
   ここに紹介するのは我が家(宮崎県北部)の常温飼育の中で繁殖に成功したクワガタです。 この場合の成功とは、幼虫が10匹
 以上採れてその過半数以上が羽化した場合です。
 
国産クワガタ
         ・
ヒラタクワガタ     ・
ノコギリクワガタ    ・
コクワガタ       ・
オオクワガタ
 外国産クワガタ
   ・ダイオウヒラタ(おそらくヒラタクワガタの仲間はOKだと思います)
  ※熱帯の昆虫に四季という感覚がない為に真冬に平気で蛹化してしまいます。 初冬に羽化してしまった場合、温室がない
   と春までに全滅という事もあると思います。 メタリフェルホソアカクワガタやパプアキンイロクワガタ等は成虫・幼虫共に常温飼育が
   可能ですが寿命の関係上、♂♀の羽化時期のズレが発生すると、ペアリングが出来なかったりします。
   色々と対策が必要になってくるかもしれません。
 
宮崎県北部は・・・
   平野部の屋内だと10℃を切ることは、ほぼありません。 屋内の最高気温は、32℃前後でしょうか。