- ノコギリクワガタ -
北海道〜九州まで分布し、比較的簡単に採集できる大型のクワガタです。 全国的に簡単に
採集が可能な為、軽く見られがちですが大歯型は大腮が湾曲し非常に格好良いクワガタです。
飼育も簡単で、マット産み入門種として最適です。 しかしなかなか大型(65mm以上)のものは
羽化しません。
その他の特徴として、蛹室は朽木外で作ることや羽化後そのまま蛹室で越冬する習性があり
ます。 羽化後活動を開始するのは翌年の初夏になります。 どんな時期に羽化しても夏に
活動を開始できるように編み出した、四季のある日本独特の進化なのかもしれません。
分 布 : 北海道〜九州 南西諸島に多くの亜種がいます。
大きさ : 〜 7*mm
産 卵 : マット ・ 材産み 両方に産卵します。
外灯に飛んできます。
小歯〜大歯の変化が激しいのがノコギリクワガタの特徴です。 大きくなるにつれて大腮の湾曲は大きくなります。
内歯は極小個体では消え、40mm前後で最大になり大歯型に近づくにつれ内歯が減っていきます。
普通、内歯は大きくなるにつれて増え、数は減らずにハッキリしてくるものなんですが・・・
この辺りが小さいノコと大きなノコを別のクワガタと勘違いしている人が多い理由でしょうか?
写真で興味深いのは、53mmと54mmの写真です。 1mm しか違わないのに54mm は大歯型の雰囲気をもっています。
ノコギリクワガタの特徴
体全体にツヤはありません。 全体的に赤みを帯びているので判りやすいと思います。
たまに黒い個体もいるのでご注意下さい。 ※一番大事なのはじっくり観察することです。
♀を見分ける
クワガタ飼育を始めたばかりの方はまず、こちらを熟読して下さい。 ⇒
はじめてのクワガタ飼育
成 虫 の 飼 育
- 繁殖させるには -
- マットへの産卵を考慮して、大きな飼育ケースを使用します。
- 柔らかい産卵木をセットします。 マットへ産卵するので、なくてもOK
- 目の細かいマットを使います。 粗いマットはミキサーにかけて使うと良いかも
- 厚さ10cm以上、マットは硬めに詰めます。
- マットへの加水は若干多目にします。
- ミヤマクワガタのように黒土を使用しても良い結果がでます。
− 黒土を使用した産卵セット −
黒土との相性も良いようです。 下層に黒土2〜3cm、上層に発酵マット5〜7cmほど共に硬く詰めます。 すると黒土と発酵マット
の境目に集中して産卵します。 黒土はホームセンターに園芸用として売られています。 黒土の代わりに腐葉土をミキサー等で
粉砕したものでも良い結果が得られるようです。
発酵マットの飼育が無難です。 菌糸による飼育を以前実験しましたが、1匹は3齢
になれず死亡、1匹は羽化不全で蛹室で死んでいました。 この2匹で全てを判断することは
できませんが、菌糸による飼育はお勧めしておりません。
マットは、若干水分多目が良いです。 水分を多くし過ぎると、マットが底部から腐ってくる
ので注意してください。 マットが黄色っぽく変色してたら要注意!
飼育瓶は800cc〜1000ccくらいで内径8cmほどあれば十分です。
マットは、よく発酵したもの(黒っぽくなったもの)が良いです。
− 羽化後の管理 −
ノコギリクワガタは羽化後、活動せずそのまま蛹室で越冬します。 活動を開始するのは翌年の
初夏です。 自分から這い出てくるまで忍耐強く待ちましょう。
耐えられない場合は掘り出した後そっと瓶へ戻しておくか、左写真のようにルアーケースで
まとめて越冬させるのが省スペースで良いです(マットの乾燥には注意)。
ただし、触り過ぎると越冬できずに死んでしまう事があるのでルアーケース等への移動は
速やかに行って下さい。
もし冬に活動を開始してしまった場合には普通に飼育してください。 上手くいけばそのまま冬を
越せるだろうと思います。