水生生物研究室 − 延岡の淡水エビ − ブログ
在来種のヌマエビの仲間の飼育方法を紹介します。
他の種を襲うことはまずないので、ヌマエビを餌とする生き物でない限り、混泳可能です。 もちろんヌマエビ同士の混泳も。

冬、雪が降るのは当たり前な地域では、屋内飼育をお勧めします。
以下のヌマエビの飼育情報は、レッドチェリーシュリンプ等の飼育にも使えます。 レッドチェリーシュリンプは、売られているミナミヌマエビの品種改良なので、飼育方法は同じです。 寒さにも強いです。
ヌマエビ
  暑さに非常に弱いので、温度管理必須と思った方が良いです。 30度を超える日が数日続けば、まず死んでると思います。 なので、飼育難度は高めです。 淡水繁殖はできません(両側回遊型)
  逆に、温度管理さえできれば飼育は簡単とも言えます。   寿命は2年くらい?  中流域でよく見られます。
  九州での採集はできませんが、関東地方以北には、ヌマエビに近縁なヌカエビがいます。 こちらも暑さに弱いようですが、淡水繁殖可能です。
ヒメヌマエビ
  寿命は、おそらく1年前後。 寿命が短い上に、淡水繁殖ができないので、飼育にはあまり向いていないと思います。 見た目は良いんですけどね・・・ 寿命がどのくらいなのか今後ちゃんと調べていきたいと思います。
ヤマトヌマエビ
  淡水繁殖はできませんが寿命が長いので、世代交代なしで数年飼育できます。 上手く飼育すれば5年以上生きることもあります。
  稀に肉食性の強い個体がいるようです(やっちーは見たことないですけど)。 水槽にいる魚の大きさとのバランスを考えて入れるのが良いかもです)。
ミゾレヌマエビ
  寿命はおそらく1年〜2年。 淡水繁殖はできないので、割り切って飼育するのが良いと思います。
ミナミヌマエビ
  唯一の淡水繁殖が可能なヌマエビです。 寿命はおそらく1年前後。 寿命は短いですが、淡水繁殖可能なので、世代交代を繰り返しながら飼育を維持していけます。
準備するもの(屋内飼育)
水 槽
  300キューブや600スリムがお勧め フレームレスの方が見映えが良いです。 大きいほど水換えは大変ですが、水質の急変は起こり難いです。
  30cm以上の水槽の方が使える機器の種類が多いのです。 30cm以上の水槽をお勧めします。
フィルター(ろ過器)  
  水を物理的に、生物的に浄化する機器です。 外部式のフィルターがお勧め  フィルターには、エアレーション効果(水槽内に酸素を送る効果)もあります。
  ヒーターを設置する場合、水槽全体の温度を上げるために、水槽内を循環させる必要があります。 その場合にもフィルターが必要になります。
  給水口には、スポンジを取り付けて、エビが吸い込まれないようにしています。
  ちなみに、外部式フィルターの場合、フィルター掃除の際に吸い込まれたエビが生きて出てくることがよくあります。 EHEIM(エーハイム) クラシック2211を使用中
ヒーター
  在来種の場合、エビ自体は温度管理をする必要なくても、一緒の水草に温度管理する必要があったりします。
  温度管理をするサーモスタットと一体になったものと、サーモスタットとヒーターが分離したものがあります。
  サーモスタットが分離しているものの方が温度管理の幅が広いし、どちらかというとヒーターは消耗品なので、一体型よりも、分離型の方がお勧めです。
底 床
  水草をいっぱい植えたいならソイル。 流木活着の水草で良いなら砂利。 砂利の方が管理が楽です。
  エビも当然ながらフンをします。 フンは、ソイルや砂利の間に堆積しています。 砂利なら荒い扱いをしても粒が崩れないので、底床掃除が可能です。 なので、やち研では砂利を使っています。 半永久的に使えるし。
照 明
  水草を入れるなら必須  水草はなくても中がはっきり見えるので設置することをお勧めします。
  30cm未満の水槽だとクリップ式の弱い照明ばかりなので、照明を設置する予定なら水槽も30cm以上のものを選択すると良いです。
  照明を設置すると、コケが生えやすくなります。 その対策として、電源タイマーを設置し、点灯時間をしっかり制御する方法があります。 点灯時間は、8時間くらいが良いでしょう。 電源タイマーは千円くらいであると思います。
その他
  石や流木、水草 この辺は適当に。 コケの生える場所として、あった方が良いと思います。
準備するもの(屋外飼育)
 ・電源を必要とするものは一切不要です。
 ・飼育容器は、プラ船のような透明でない容器の方が良いです。 コケが生えても気にならないので・・・ 深いものよりも浅くても良いので水面を広くとれるものが良いです。
   発泡スチロールは、表面が劣化して、触ると白いのが付きます。 容器としては使えるけど、お勧めはしません。
 ・1日中、陽の当たる場所は避けましょう。 2・3時間も陽が当たれば十分です。 できるだけ涼しい場所が良いです。
水草(屋内飼育)
流木活着のウィローモスやミクロソリウム、アヌビアス・ナナなどがお勧めです。 水槽からの出し入れが簡単なので、水替えやコケ取りの邪魔にもならないです。
水草には、農薬がついていることがあります。 その場合は、エビは全滅します。 「水草その前に」で中和して使うのが良いでしょう。 
 ・ミクロソリウム : 寒さに若干弱い。 ヒーターがあった方無難
 ・アヌビアス・ナナ : 寒さに超弱い。 15度以上をキープしましょう。
 ・ウィローモス : 寒さに強いです。 屋外飼育にも使えます。
 ・アナカリス : 安いくて、寒さにも強いです。 屋外飼育にも使えます。
水草(屋外飼育)
屋外飼育には、普通の水草よりもオモダカなどの抽水植物がよく似合います。  抽水植物とは、根は水中にあり、葉は水上にある植物です。
屋外なので、寒さに耐えられることが必須条件になります。
 ・ナガバオモダカ : 寒さにはどうなんでしょう??? 今まで寒さで枯れたことはないです。 ランナーを伸ばして、株が増えていきます。
 ・ミニパピルス : 寒さに弱いという話です。 やち研では、年に数回水が凍りますが、枯れていません。 根が伸びすぎて凄いことに・・・
 ・睡 蓮 : 睡蓮も寒さに弱いものが多いので、寒さに耐えられない地域もあるかもしれません。 日当たりが良くないと育ち難いです。
 ・ホテイ草 : 寒さには弱いので、春までにほぼほぼ枯れます。 安いので、割り切って毎年買い替えるというものありだと思います。 日当たりが良くないと育ち難い。
 ・エビモ : これは、やち研近くの用水路に毎年のように生えている水草で、伸びてくると、葉は水上に浮かびます。 抽水植物ではありませんが・・・
基本不要なんですが、産卵数を増やしたり、元気付けに週1回等の定期的に与えるのが良いと思います。 食べ残しが出ないように与え過ぎに注意しましょう。
ホームセンター等にエビの餌が売っています。 粒の大きな魚の餌などでも良いです。
水替え
やち研では、週に1回水替えを行っています。 水替えというよりは、底床掃除と言った方が良いかもしれません。
底掃除には、プロホースを使用しています。 底掃除をすれば当然水が減るので、その減った分の水を足します。 排水は、7Lほどの虫かごにし、プロホースから吸い込まれたエビがいないかをチェックしてから捨てるようにしています。
コケは、ほとんど生えないので、2〜3週間に1度目立ち始める前に掃除しています。
混泳について
ヌマエビから攻撃することはないので、エビを攻撃しない生き物となら一緒の水槽で飼えます。
ミナミヌマエビの場合・・・
屋内での温度管理された水槽なら、オトシンクルスコリドラスが最適です。 餌の食べ方が稚エビを狙って食べることに向いていないので最も相性の良い魚だろうと思います。
その他では、レッドテトラ。 この種はカラシンの中でも小型な方で、稚エビを食べることはあまりないと思います。
稚エビを食べるかもしれないけど、水草や流木等を増やせば大丈夫な魚では、グローライトテトラアフリカンランプアイでしょうか。 これらと同じくらいの大きさで、気性の荒くない魚ならおそらく混泳できると思います。

屋外での飼育なら、日本在来種であるメダカでしょうか。 ただし、メダカは稚エビを食べます。 稚エビの保護が必要です。
繁 殖
ミナミヌマエビ以外のエビは、両側回遊であるため、繁殖に海水が必要です。 繁殖は超難しく、何度かチャレンジしましたが駄目でした。 ということで、ミナミヌマエビについての繁殖について紹介します。
簡単に言うと、繁殖のためにあえてすることは特にありません^^; 条件を上げるとすれば・・・
 ・成熟した雄と雌がいること。 1.5cm以上あれば大丈夫です。
 ・親エビが元気に生きている環境があること  稚エビは親エビと一緒に飼えます。
 ・水温20度以上を維持していること。
これくらいです。 良い環境を維持していれば、いつの間にか抱卵し、いつの間にか稚エビが見られるようになります。
暑さ対策
暑さ対策と言えば・・・
水槽用ファンを設置  NISSOの「ぴたっとファン」などがあります。 他のメーカーからも出ているはずです。 大きな効果はないですが、地味な効果はあります(2度〜4度ほど)。
エアコンで常時温度管理  これが一番間違いないやつなんですが、電気代などを考えると・・・ なかなか踏み切れないやつですね・・・
凍ったペットボトル作戦  500cc又は、それ以下のペットボトルに水を入れ、凍らせた物を水槽に浮かせて水温調節します(-3度まで)。
  ペットボトルの大きさや水量で下がり過ぎないように調節するのが良いです。
やち研水槽の紹介
在来種のヌマエビの屋内飼育は現在していないので、現在屋内飼育中のレッドチェリーシュリンプ水槽を紹介します。
 ・飼育容器  GEXグラステリアスリム600 最大約27.5L
 ・フィルター  EHEIM クラシック2211
 ・ヒーター  NISSO プロテクトヒーター150  22度設定  このヒーターは、長さ16cmほど。 とても短いのでスリム水槽にも問題なく使えます。
 ・照 明  コトブキ フラットLED 600
 ・底 床  砂利   百均の横長のフィギュアケースにソイルを入れて植木鉢状態にして水草も植えています。
 ・水 草  流木活着のミクロソリウム、 バコパ・モンニエリ、 アヌビアス・ナナ、 クリプトコリネ・ウインディ・グリーン(たぶん)
 ・混 泳  ヤマトヌマエビ×2
 ・水替え  プロホースによる週1回の底掃除をし、減った水を足す(7L(3分の1程度)  3週間に1回程度コケ
屋外のミナミヌマエビ水槽
 ・飼育容器  プラ船(40Lほどだったと思います
 ・底床  一部砂場を作ってますが、それ以外は、大きめの石を入れているだけで、砂利やソイル等は使っていません。
 ・水草  ミニパピルス、 ウィローモス
 ・混泳  メダカ×4
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