- ミヤマクワガタ -
  北海道〜九州に分布します。 国産の中では大型種になります。 若干標高の高い所で
  ないと採集出来ないため低地での採集はやや困難です。 標高の高い涼しい所に生息する為
  暑さに弱く、産卵〜成虫飼育まで保冷設備がないと飼育は難しいでしょう。 逆に飼育温度
  さえクリアすれば飼育は簡単で、ミヤマクワガタと同じ感覚でOKです。
 
 分 布 : 北海道〜九州  南西諸島に多くの亜種がいます。
 大きさ : 〜 7*mm
 産 卵 : マット ・ 材産み  両方に産卵します。
  暑さに非常に弱いので、保冷設備が必須です。 25℃以上の環境では産卵はしないだろうと思います。
  産卵したとしても孵化した幼虫は、暑さで死んでしまいます。
  外灯に飛んできます。
     宮崎産 ワイルド 50mm  宮崎産 ワイルド 55mm  宮崎産 ワイルド 61mm
     宮崎産 ワイルド 67mm
 ノコギリのような大きな変化はありません。
 大腮は第1内歯の発達状況により普通型フジ型・エゾ型に分けられる。 内歯の発達がもともと悪い中歯以下の個体には
 使われません。
 普通型
  写真(67mm)のように第1内歯が大きく、先端の二股に分かれた部分の下側もよく発達したタイプを言います。
 フジ型
  第1内歯は、良く発達しているが、先端の二股に別れた部分の下側はあまり発達していないタイプ。
 エゾ型
  第1内歯が小さいタイプ。 北海道や高標高で多く見られるようです。
  上から   大腮  裏から
 − ミヤマクワガタの特徴 −
  基本的に大型です。 30mm以下の♀を見かけることは稀でしょう。 形自体も独特のものを持っていますが、最大の
  特徴は、足です。 裏返すと足の付け根部分がオレンジ色をしています。
  ※一番大事なのはじっくり観察することです。 ♀を見分ける
 クワガタ飼育を始めたばかりの方はまず、こちらを熟読して下さい。 ⇒ はじめてのクワガタ飼育
 成 虫 の 飼 育
 風通しの良い涼しい所にケースを置いてください。 常時30℃を越える環境は良くありません。
 - 繁殖させるには -
  • 暑さに弱いので温度管理が必要です。 24℃前後が一番良いかも。 25℃を超えると産卵しないと思います。
  • ケースは大きいものを使用しましょう。
  • 柔らかい産卵木をセットします。 マットへ産卵するので、なくてもOK
  • 目の細かいマットを使います。 粗いマットはミキサーにかけて使うと良いかも
  • 厚さ10cm以上、マットは硬めに詰めます。
  • マットへの加水は若干多目にします。
  • 黒土を使用した産卵が主流?になっています。
  • 当研究所では、カブトマットを黒土代わりに使って産卵に成功しています。 マルカンのヘラクレスが載ってるマットです。

 − 黒土を使用した産卵セット −
  黒土との相性も良いようです。 下層に黒土2〜3cm、上層に発酵マット5〜7cmほど共に硬く詰めます。 すると黒土と発酵マット
  の境目に集中して産卵します。 黒土はホームセンターに園芸用として売られています。 黒土の代わりに腐葉土をミキサー等で
  粉砕したものでも良い結果が得られるようです。
ミヤマクワガタの幼虫 ミヤマクワガタの幼虫は暑さに弱いため、常時28度を超える7月〜9月は保冷設備が必須と
 なります。 理想の温度は23〜25℃くらいでしょうか。
 成長のスピードは、本土ヒラタなどと比べるとゆるやかです。

 飼育については、温度さえクリアできれば、ノコギリクワガタと同じです。
 マットは、若干水分多目が良いです。 水分を多くし過ぎると、マットが底部から腐ってくる
 ので注意してください。 マットが黄色っぽく変色してたら要注意!
ミヤマクワガタの蛹 羽化間近 飼育瓶は800cc〜1000ccくらいで内径8cmほどあれば十分です。
 マットは、よく発酵したもの(黒っぽくなったもの)が良いです。

 蛹化時期は、非常にデリケートです。 3齢後期からの温度はしっかりと管理しましょう。
 当研究所では、温度管理が不十分だったため、前蛹・蛹の時期に死亡した個体が続出しました。